恋人未満のこじらせ愛
「あのさぁ、盛り上がってるところ悪いけど」と、江浪さんはぼそっと呟いた。
「俺の同期が本社に戻って来たんだよねー。
名古屋に飛ばされて可哀想な同期がさー」
「あぁ」と伊藤さんは呟く。
心当たりがあるらしい。
「ちょうど広報部の席が空いたから戻ってきたんだけどさぁ、一気に課長に昇進なんだとよ」
「そりゃすごいね。負けてんじゃん」
「まぁ…俺はシステム系だから…何かジャンル違うけどな………」
とは言え江浪さんの同期=私の二期上の人が課長とは、随分出世が早い。
「何か仕事終わったらしいからここに呼んどいた」
「わぁ、久し振りに会うね!大村くん」
二期上の、名古屋に飛ばされていた『大村』という苗字の人物。
まさか……。
いや、そんなわけないか。
だがその予感は──見事、的中した。
「おっ、来た。大村!こっち!!」
そう江浪さんが手を振る方向へ視線をやる。
一瞬にして私の体が凍りつく。
まさか…こんなことが、あるはずない。
「江浪久し振り。って………菅原…か………?」
そう、現れたのは……紛れもない、大村先輩だったのだ。
「俺の同期が本社に戻って来たんだよねー。
名古屋に飛ばされて可哀想な同期がさー」
「あぁ」と伊藤さんは呟く。
心当たりがあるらしい。
「ちょうど広報部の席が空いたから戻ってきたんだけどさぁ、一気に課長に昇進なんだとよ」
「そりゃすごいね。負けてんじゃん」
「まぁ…俺はシステム系だから…何かジャンル違うけどな………」
とは言え江浪さんの同期=私の二期上の人が課長とは、随分出世が早い。
「何か仕事終わったらしいからここに呼んどいた」
「わぁ、久し振りに会うね!大村くん」
二期上の、名古屋に飛ばされていた『大村』という苗字の人物。
まさか……。
いや、そんなわけないか。
だがその予感は──見事、的中した。
「おっ、来た。大村!こっち!!」
そう江浪さんが手を振る方向へ視線をやる。
一瞬にして私の体が凍りつく。
まさか…こんなことが、あるはずない。
「江浪久し振り。って………菅原…か………?」
そう、現れたのは……紛れもない、大村先輩だったのだ。