恋人未満のこじらせ愛
いつも通りごはんを食べて、映画のミッドナイトショーを見に行き、彼の部屋に行く。
そこでビールを流し込みながら、映画の感想を語り合う。
そしていつも通り──肌を重ね合う。
私の肌を、彼の指先が伝う。
カラダのラインをなぞるように、隅々まで指先を滑らせる。まるで堪能するかのように。
彼は一頻り堪能すると、優しく微笑み、唇同士を重ね合わせる。
どこまでも優しくて、激しい口付け。
「理緒、もっとちょうだい」
息継ぎをするように口を離すと、甘い言葉を囁く。
私は吸い寄せられるように、唇をもう一度重ねる。
どこまでも優しく、どこまでも力強い腕に身を委ねて、私は溺れていく。
まるで底無し沼に溺れるよう。息もできない程に、彼に溺れていく。
でも、これは『一晩の夢』だ。
一晩だけ彼に愛される──そんな夢。
パンを食べ終わると、その夢を反芻しながらベッドに入る。
馬鹿で不毛なことは、わかっている。
それでも……それでも、私は踏み込む勇気も、手放す勇気も何も持てない。
そういえば、眠りにつく前「起きたら話すことがある」と言っていたな。
いつも私が居ないことは知っている癖に。
心に引っ掛りながらも帰ってきたのは、やっぱり何かが変わってしまうのが恐いから。
私は多くを望まない─今がずっと続きますように、たったそれだけを望んでいる。
今日もまた、高くなった太陽をカーテンで遮って、眠りにつく。
幸せな夢を、噛み締めるように。
そこでビールを流し込みながら、映画の感想を語り合う。
そしていつも通り──肌を重ね合う。
私の肌を、彼の指先が伝う。
カラダのラインをなぞるように、隅々まで指先を滑らせる。まるで堪能するかのように。
彼は一頻り堪能すると、優しく微笑み、唇同士を重ね合わせる。
どこまでも優しくて、激しい口付け。
「理緒、もっとちょうだい」
息継ぎをするように口を離すと、甘い言葉を囁く。
私は吸い寄せられるように、唇をもう一度重ねる。
どこまでも優しく、どこまでも力強い腕に身を委ねて、私は溺れていく。
まるで底無し沼に溺れるよう。息もできない程に、彼に溺れていく。
でも、これは『一晩の夢』だ。
一晩だけ彼に愛される──そんな夢。
パンを食べ終わると、その夢を反芻しながらベッドに入る。
馬鹿で不毛なことは、わかっている。
それでも……それでも、私は踏み込む勇気も、手放す勇気も何も持てない。
そういえば、眠りにつく前「起きたら話すことがある」と言っていたな。
いつも私が居ないことは知っている癖に。
心に引っ掛りながらも帰ってきたのは、やっぱり何かが変わってしまうのが恐いから。
私は多くを望まない─今がずっと続きますように、たったそれだけを望んでいる。
今日もまた、高くなった太陽をカーテンで遮って、眠りにつく。
幸せな夢を、噛み締めるように。