恋人未満のこじらせ愛
メールを待ちながら、ぼんやりと今までの企画書やら資料を読み込む。
努力や試行錯誤を積み重ねて、みんなここまでやってきたことがすごくわかる。
私もそれを引き継いで頑張って行かなければ行けない。


「菅原ぁーあと二時間切ったぞー」

「課長……残ってたんですね………」


フロアの入り口から顔を覗かせる課長。
コツコツと足音を響かせながら、私に近づく。

はぁと大きくため息をつくと「何?」と言ってクスっと笑った。

「お前はよく頑張ってるよ。新人の仕事量としては多いぐらい振ってるんだ」

そしてわしゃわしゃと頭を撫でる。
何だか安心する手。


「しかし俺にとっちゃつまらんけどな…」

「何でですか?」

「すぐ泣きつくかと思ってたけど、以外と泣きついてこない」

「当たり前じゃないですか。仕事なんですから」

『イジメか』と心の中で呟いて手を払いのける。
課長はまたクスりと笑って、隣の席に座った。
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