恋人未満のこじらせ愛
抜け出したい
─底なし沼から、早く抜け出したい
この毒が、全身に回ってしまう前に
あれから眠りについた智也さんを見届けて、私は家に帰った。
ダメだな、いつも私は流されてしまう。
何で流されてしまうんだろう。
あの顔を見ると…思い出してしまうから?
浮気された同士の、惨めな過去が。
私達はただ、埋まらない何かをカラダで埋めるだけの関係だ。
私はどうしたい?
私はただ、愛してくれる人が欲しい。
自分を愛してくれる人が欲しい。
だだ、それだけなんだ。
──いつまでも夢にすがってる場合じゃない。
夢はいつか覚めるし、いつかは手放さなくてはいけない。
それを知りながらも…いつまでも続くようにと、すがり付いている私は、すごく惨めだ。