恋人未満のこじらせ愛
経理部に居た頃はみんな決まった時間にお昼を取っていたが、うちの部は各自好きな時間に取っていいことになっている。
十二時半を回った頃、六島さんが「お昼行ける?」と聞いてきたので、作業を中断してお昼に行くことにした。

ピークを少し過ぎた食堂は、ちらほら帰る人達が見られる。
私と六島さんが、定食のお盆を持ってうろうろしていると「菅原さん!」と声がかかる。
佐々木さんだ。

「今から?ここ空くから使いなさいよ」

「ありがとうございます」

「それじゃ、急いでるから。また今度飲みに行こうね!」

そして足早に去っていく佐々木さん。
経理部は忙しいのだろうかと、少し心配になった。


「佐々木さんと仲良いんだよねー。いいなー」
ご飯を食べはじめた時、ボソッと六島さんが言った。

「ん?何で…?」

「だってうちらの世代で『超羨ましい人』だよ?憧れるもん」

「憧れる……??」

正直あんまりピンとは来ない。
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