恋人未満のこじらせ愛

しばらく二人で課長を横目にご飯を食べていると、六島さんが携帯を見て「あ……」っと言った。

「ちょうど良かった菅原ちゃん！合コン行かない？」

「合コン？？」

「うん、欠員が出てさぁー。うちの大学の友人らなんだけどどう？」
身を乗り出して聞いてくる。
「わりとハイスペック集めたって言ってるし！ね！」
明るく誘う六島さん。

正直、あんまり乗り気ではなかったが…

「……行こうかな」
そもそも課長とこうなってしまった原因は…私が寂しいオヒトリサマであったからで、誰かの温もりが恋しかったからで……
彼氏ができれば絶ち切れるんではないだろうか。
いや、絶ち切る為には彼氏を作らねば。
出会いを求めに行かねばと、一気にスイッチが入る。


「じゃぁ決定ー！金曜日の七時半からだから仕事終わらせてね！」
六島さんは既にルンルン気分だ。

合コンなんて学生ぶりだ。
初対面の人と会話を盛り上げる…なんて最も苦手だが、もうあの頃とは違い社会人だ。
一通りのお世辞も世間話も言えるようになってきた。


きっと……大丈夫だ。
あの頃とは違う。大丈夫。