恋人未満のこじらせ愛
そして頬笑む顔の裏の、隠し切れない黒い影……すっかり萎縮してしまう。
一瞬ちらっと六島さんを見ると─怯えながらも哀れみの目をしてこっちを見ている。

あぁ、これは……行かなければ行けないのか。
行かなければ…多分、殺される。いろんな意味で。

「わかり…ました………」


がっくり具合をなるべく出さぬように気を付けて、返事をする。
課長は「よろしく」と言い捨てて、さっさと自分のデスクに戻って行った。

正直、初めて自分の頑張り具合を恨んだ瞬間でもある。



ちなみに資料の二枚目には、ご丁寧に『やっぱり上手く行かないな』という付箋が貼ってあった。

ちくしょうからかいやがって!!

私は怒りを込めて付箋を握り潰し、ゴミ箱へと放り投げるのであった。
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