恋人未満のこじらせ愛

ハロウィン用に新商品─ケーキなどの新作スイーツ など を展開する店などもあれば、特にハロウィン商品を発売しない店もある。
その場合はハロウィンぽい商品…例えばかぼちゃのコロッケやデコレーション用の形抜き などを撮影して掲載するそうだ。


「菅原さん、初めてですよね?撮影の立ち会い」
石見君はまだまだ残っていて、身を乗り出して聞いてきた。

「うん初めて。どんな感じなのかな?」

「そうだなぁ…何かいろんな複雑な装置があって、何よりもストロボが眩しい」

「へぇ……」

「あとフードコーディネーターの人がすごい。すっごい綺麗に盛り付けしてくれる」

「なるほど、そりゃ楽しみ」

「でも合コン……残念でしたね…」

そう言われて思わず「ははは……」と笑ってしまう。

「まぁ仕方ないよ。仕事だし」

「課長も意地悪ですよね。知ってて言ってるんでしょうし…」

「ま、あの人の意地悪さは今に始まったことではないよ」

「じゃぁますます立場が悪いじゃないですか」

そうか、そうだよな。
でも出てくるのは不思議と『笑』の感情だ。
……あくまで『苦笑』だが。
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