642光年の恋
月
ずっと分からなかったことが
ずっと気づかないふりしてたことが
やっと分かったことがある。
好きだって言ってたんだあの時。
分かんなかったよ。
それとも、気づかないふりしたのかな私。
あの時
私の運命が大っきく変わる気がして、逃げちゃった。
あの頃から走るのが好きになったのは
車に乗ったあなたを追いかけたかったから。
夕方になると走りたくなるのは
今もあなたを追いかけてる気がするから。
記憶と希望の狭間で、あったことなかったことが生まれていく。
夏の終わりに頑張っちゃうのは
あなたがいた夏を体が思い出してたから。
ずっと果たせてない約束があると思っていたのは
果てしない夢の先で待ち合わせをしてたから。
本当にあなたは、あの時約束した少年なの?
そんな気がしてしまう。
そんなこと言ったかもなんて思う。
もしそうなら、もうちょっとだけ頑張ってみる。
早く、遅くなってごめんなさいって言いたいから。
もし遅すぎたら、
そんなのはいいや。
素敵な思い出もあなたも
大好きなのは変わらないから。