君の声を
始まり

友達もそれなりいて、部活も習い事も
して平穏な毎日を過ごす。

本当にごくごく普通の中学一年生、
奈々美。


今日もいつもどおり学校を終えて
家に帰る。

少しの間、ゆっくりしてピアノ教室へ
行く準備をしていたらお母さんに
呼ばれた。

「奈々美、ピアノ行く前にたっくんの
所におばあちゃんからもらった
野菜持って行ってね。」

たっくんは、隣の家に住む
私より4っ歳上で高校2年生の
幼馴染のおにぃちゃん。

小さい頃から家族ぐるみで
付き合いしている。


私は言われたままに、野菜を届ける為
たっくんちのチャイムを鳴らした。

「はーい!」

聞き覚えのない声と共に
出てきたのは、全く知らない男の人。

「あ、妹?違うか!」

馴れ馴れしく話しかけてくるその人に
戸惑ってると、 たっくんが出てきた。

「隣の家の子!ななちゃん!
こいつはクラスの友達、裕太!」

何故だか分からないけど、
緊張してたっくんに野菜だけ渡して
すぐに立ち去った。


後で思えば、これが始まりだった。

裕太に恋をしたのは。








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