三途の川のお茶屋さん
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翌日からずっと、俺は幸子の番犬よろしく四六時中、幸子に張り付いて過ごしていた。
これまでは『ほほえみ茶屋』の営業中は幸子を一人残し、書類仕事を進めたり、三途の川の近辺の見回りをしたりして過ごしていた。
けれどどんな輩が幸子を狙ってくるかも知れぬこの状況で、幸子を一人にしておく事は避けたかった。
「十夜、そんなに四六時中べったりと張り付いてたんじゃ、幸子さんも息が詰まるんじゃないか?」
停船中の船から降りて来た懸人が、『ほほえみ茶屋』脇の木陰で書類を捲る俺を見つけて声を掛けてきた。
「うるさいぞ懸人。俺に構わずさっさと小便を済ませてこい」
「おー、怖い怖い」
懸人は大仰に肩を竦める真似をして、俺の前を通り過ぎて行った。