三途の川のお茶屋さん


うず高さを増した使用済みの食器に悪戦苦闘していれば、おばさん達の会話ももう、気にする余裕は寸分もなかった。

「ほな、団子をおおきに。さいなら!!」
「あ、ありがとうございました! どうぞよい船旅を!」

我武者羅に食器を洗う私に厨房の向うから声が掛かった。声は、おばさんだった。

私は慌てて視線を上げて、気のいいおばさんに別れと祝福を告げた。

すると私を目にしたおばさんが、何故か腰を抜かした。

「ア、ア、アアア、アンタやーーっっ!!」
「お、おばさん!? 大丈夫ですか!?」



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