三途の川のお茶屋さん
「オバサンの団子屋、マジチョーヤベェし! アタシ、皆に言っ……」
けれど帰りがけ、女子高生の言葉が不自然に途切れた。
「どうかした?」
怪訝に思って問えば、女子高生は小首を傾げていた。
「……ダメだ。皆って、誰だ? おかしいな、なんか急に思い出せなくなっちゃった。……うぅ~んと、まぁいっか! オバサンの団子うめぇしな、アタシが言って回らなくても十分人気店だよな!」
あっけらかんと言って、女子高生は高らかに笑った。
これまでに、悲惨な死を連想させる魂との出会いは何度かあった。今回は、決してそれには当てはまらない。
なのに目の前の邪気の無い笑顔に、改めて死というものの重みを感じた。
「そんじゃーね、オバサン!」
「よい船旅を」
くるりと背を向けて、勢いよく女子高生が走り出す。するとスカートがピラリと翻り、パンツが覗いた。