三途の川のお茶屋さん


『見てんじゃねぇバーカ!!』

ピンクのパンツのおしり側、デカデカと書かれた見せ文字(?)に、女子高生がいなくなった店内で、私は一人お腹を抱えて爆笑した。

なるほど! 見せパンというのはなかなか天晴なパンツだった!


カラカラカラ。


「邪魔するぜ」
「はーい、いらっしゃいませ……!」

い、入れ墨!!

「ねーちゃん、団子な」
「は、はい! た、たたた、ただいまお持ちします!」

「ははっ、ねーちゃん俺ぁ別に取って食いやしねぇぜ」

そうして女子高生の次は、気のいいヤクザさんがご来店。

この二人を皮切りに、この日はぞくぞくと個性派のお客様が訪れた。

おかげで仕事中、闇が私を引き摺り込む事はなかった。目の前のお客様への応対で、一日が過ぎていった。




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