三途の川のお茶屋さん
そうして左端に座る私の肩をグッと抱き寄せた。
!!
気付いた時には、私は十夜の膝を枕にし、横寝に寝転がっていた。
猫の子でも撫でるように、十夜は膝上の私の頭を何度も往復させていた。
「まだ起きるには間があるからな。俺が枕を提供してやるから少し横になれ」
律してきた十夜への恋心。
もう、心に嘘は吐かない。
「十夜……」
だけど今は、十夜の温もりがあまりにも心地よく私を包んでしまうから……。
「じゃあ、少しだけ……」
トクン、トクン。
十夜と私、二人の鼓動が重なって、心地よい調べになって私を誘う。
十夜の温もりに包まれながら瞼を閉じれば、あっという間に意識は心地よい眠りの世界に沈んでいた。