三途の川のお茶屋さん
3
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あの日、幸子からの突然の拒絶に、目の前が真っ暗に塗りつぶされる思いがした。
けれど幸子は、のべつまくなしにそんな態度を取る事はしない。幸子の拒絶の裏には、何かしらの原因があるに違いなかった。
俺が一人寝の寝台で考えを巡らせるのも、今晩で二晩目。
けれどこの晩も、俺は結局答えに辿りつけぬまま、夜明けを迎えていた。
表面上はなんとか平静を取り繕いながら、いつも通り幸子を茶屋に送る。午前中は船の修繕の手配や、突然やって来たタツ江婆の応対やらをして過ごした。
午後からは、茶屋の脇の大木に寄り掛かり書類を手にしてみたが、集中力は散漫で一向に頭に入らない。そうして不毛なため息を繰り返している内に最終便の出航時刻となり、俺は幸子の迎えに茶屋の戸口を潜った。
そうして茶屋で、俺は予想を超える歓喜でもって、幸子の心を知る事になった。