三途の川のお茶屋さん
何でもいい、どんな存在でもいい、どうか幸子を無事に俺に返してくれ!!
そうして幸子が無事であったなら、俺は今度こそ幸子を離さない。何者にも、悟志という男の亡霊にも、幸子を渡してなるものか!
時のあってない三途の川で、三十年という時の括りに縛られて過ごす事こそが、出だしからして間違っているのだ。
己の心に正直になればいい、その上で幸子の心を乞えばいい。それを敢えてしなかったのは、悟志を大義名分にし、臆病に言い訳を重ねて逃げていたから。
亡霊に囚われて、足踏みしていたのは俺だ。
俺の想いを告げ、心を繋ぐ。女神だろうと、人だろうと構わない。今度こそ俺は、幸子に正面から向かい合う!!