三途の川のお茶屋さん
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懐かしい夢を見た。
それは三途の川に来る前、病床でよく見た夢だ。夢の中の私は赤ん坊で、生前の両親とは別の両親に抱かれている。
夢の舞台は見覚えのない場所で、日本とは異なる場所だ。
あぁそう言えば、少しだけ三途の川の雰囲気に似ているような気もする。
でも、あそこは三途の川のじゃない……。
ならば、あそこはどこなのだろう?
夢の始まりはいつも同じ。光あふれる場所で、私は柔らかな生絹に包まれて、嫋やかな母の腕に抱かれている。そんな私を蕩けるような笑みを浮かべた父が、覗き込んでいた。