三途の川のお茶屋さん
「……どうして、タツ江さんが?」
先ほどと同じ「どうして」を繰り返すのは、タツ江さんがそうまでして私を助ける理由がまるっきり分からないからだ。
何故? どうして? 多くの疑問符が、浮かぶ。
「うん、あたしにもね、色々思うところがあるんだよ。でもそうだね、あんたに対しては、団子の礼が建前でどうだい?」
私の問いに、タツ江さんは薄く微笑んで、肝心なところをはぐらかす。
「でもタツ江さん、」
それでもタツ江さんのしようとしている事は、タツ江さんのリスクが大きすぎる気がして、待ったを掛けようと口を開いた。
「でもとお言いじゃないよ。輪廻に回りたくないのなら、十夜と共にいたいなら、なんとしてもおやり? いいね?」
けれどタツ江さんは私の唇に人差し指をトンと突き付けて、それ以上を言わせない。