三途の川のお茶屋さん
代わって胸に満ちるのは、未来への優しい希望。
「はい。いつか来る未来のその日が、今から楽しみです」
「あぁ、そうだな」
十夜は当たり前のように同意して、笑みを深くして頷く。
そうして広い胸に、私をギュッと抱き締めた。
それは、いつか来る未来のその日を、十夜も私と共に待つと言う事。けれどそこに、僅かにでも十夜の妥協は含まれていないだろうか?
ゴクリと、緊張に喉を鳴らした。
「……十夜、私は十夜の意見も聞かず、傲慢な独断をしてしまいました。だけど、この地に十夜が縛られる事はないんです。もし十夜が――」
「幸子」
興奮気味に言い募ろうとする私を、他ならない十夜自身が遮った。
そうして温かくて大きな手のひらが、そっと私の頬を包み込む。