三途の川のお茶屋さん
その瞬間、私は本気で、綺麗な十夜の瞳に吸い込まれてしまうかと思った。
「っ、……十夜っ!」
十夜の愛が、隙間なく私を満たす。
だけど私の愛もまた、十夜を満たしているのだろう。
「幸子、もっとだ」
「十夜……」
絶え間なく打ち寄せる快感の波は、空が白んでも引く事がない。どころか、抱き合うごとに愉悦は深く重く、私を一層に熱くする。
二人の溢れる愛に、いまだ終わりはみえそうになかった――。
こうして私は十夜と、三途の川で夫婦になった。