三途の川のお茶屋さん


どこから突っ込めばいいのか悩むが、そもそも狛犬って人型を取れたのかと、その上で行くのは美容院やネイルサロンでなくトリマーなのかと、主だってはそれに尽きる。

「ふふふ、それにあたし、さっちゃん大好き」
「コマちゃん、私もコマちゃんが大好きです」

ふわふわとした見た目からはそれと知れないが、コマちゃんはかつて天界中に名を轟かせる荒ぶる神であったらしい。

それのお目付け役として仁王さんが付けられて、紆余曲折を経て夫婦になったらしい。

「あたし結婚したらすーっかりまぁるくなっちゃった。昔は結構尖っていたんだけどね~」

たぶんコマちゃんの語る「尖っていた」は笑い話では済まないレベル。ここは華麗なスルースキルを発動するのが賢明だ。



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