三途の川のお茶屋さん
「十夜さんも、あとはあたしが、やっておきますよ? さっちゃんを送ってお屋敷に、帰ってもらって大丈夫ですよ~」
「え? コマちゃん、私大丈夫ですよ!?」
「ふふふ、妊婦さんが無理しちゃダメよ。しかもさっちゃんは、双子ちゃんを宿してるんだから、二倍に休まなくちゃダメですよ?」
大きなお腹を、そっと擦る。
「コマちゃん……」
そう、私のお腹の中には二つの命が宿っている。性別は敢えて教えてもらっていない。だけど私は直観的に、男女の双子だと確信している。
けれど双子の性別は、私にとって何ら意味ある事じゃない。ただ、同じだけの愛をもって育むだけ。
「幸子、ありがたくコマに甘えさせてもらおう。コマ、すまないな」
「いいえ~」
「コマちゃん、ありがとうございます。後をお願いします」