三途の川のお茶屋さん


おばちゃんは優しく微笑んで、あたしの肩を撫でた。同性でも見惚れるくらい、おばちゃんは綺麗だった。

「おばちゃん……」
「ふふふっ、けれど赤ちゃんの時から知ってるタツ江ちゃんと私が嫁姑っていうのも、なんだか不思議ね。だけど私達なら、絶対にうまくやっていけるわ。懸人をそっちのけで並んでお台所に立って、笑い合っていたりしてね?」
「それ、いいですね」

おばちゃんなんて呼んでるけど、実際にはおばちゃんとあたしは十五しか年が離れていない。おばちゃんは、眩いばかりの美貌で、頭がよくて、あたしにとって憧れの女性だった。

ところが、楽し気に将来を語っていたおばちゃんは、急に表情を暗くした。



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