三途の川のお茶屋さん
「おばちゃん?」
「……ねぇタツ江ちゃん、どうしてかは分からないの。だけど私、なんだか不安でならないの。タツ江ちゃん、どうか、どうか懸人をお願いね」
おばちゃんはあたしの手を握り、深く頭を下げた。
「おばちゃん? よく分かんないけど、懸人の事は任せてよ。恥ずかしいんだけどあたし、まだ赤ん坊の懸人が愛しくてならないんだ」
あたしはドンと胸を叩いてみせた。
「タツ江ちゃん、ありがとう。……懸人は、幸せ者だわ」
おばちゃんは僅かに目を瞠り、そう言って柔らかに微笑んだ。この時、おばちゃんが漏らした不安。あたしはただ、おばちゃんは産後で少し疲れているんだと思った。