三途の川のお茶屋さん
第二章




その日は朝から、十夜の挙動が不審だった。

朝食の席でもチラチラと私を窺っていた。

そうして一緒に『ほほえみ茶屋』へと向かっている今も、時折チラチラと私の表情を窺っている。

「十夜、朝からちょっと変じゃないですか? 一体どうしたっていうんですか?」 

ついに我慢も限界に達し、私から口火を切った。

ぴったりと隣を行く十夜の目を、ジッと見上げて問う。

「……幸子、もし店が回らなくなったら俺を呼んでくれ。俺も店を手伝う」

!! 
衝撃に、思わずその場で足を止めた。十夜も同時に足を止めた。

店が回らないほどの、お客様……!

「もしかして、大規模災害とかで団体さんが来るという事ですか!?」

一気に表情を暗くした私に、十夜が慌てて首を振った。

「あ、いや! 別にそういうんじゃない!」
「そうですか、よかった」



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