三途の川のお茶屋さん


一体、どういう意味?

正面から、懸人さんと視線が絡む。懸人さんの瞳に、熱が篭る。

瞳の奥、切なく燃ゆる焔が見えた。

「あの――」
「おっといけない、せっかくの団子が冷めてしまう」

けれど私がそれを問うよりも前、懸人さんは視線を団子に移してしまった。揚々と団子を掴み、大口で齧り付く。

団子を口いっぱいに頬張る懸人さんの姿に、頬が緩んだ。

「お! やっぱり幸子さんの団子は美味いですね。しかもこんなふうに店内で出来たてを食べれば尚美味い」

団子が積み上がった大皿は、あっという間に底が見え始めた。

「懸人さん、まだまだありますからいっぱい召し上がって下さい。でないと今日は、残ってしまいそうですし」
「では、お言葉に甘えてもう一皿いただきます」

私は慌てて追加のお団子の用意に席を立った。

「すぐお持ちしますね」

同時に、私はあの話は懸人さんなりの冗談に違いないと、そう結論付けていた。



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