三途の川のお茶屋さん
女の子は食べながらも、しきりに私の方を気にしていた。
「おいしい……」
ふふっ、可愛い。
私は女の子の頭を撫でようと、何気なく手を伸ばした。
えっ!?
すると女の子は反射的に頭を庇って身を縮め、気の毒なほど震え始めた。
「……大丈夫よ、大丈夫? ここには何にも恐い事なんてないのよ。安心して食べていいの」
私は女の子の震える肩を、安心させるように何度も優しく撫でる。何度か撫でていると、女の子は徐々に震えを小さくして、チラリチラリと窺うように私を見上げた。
「このお団子は全部、あなたのだよ。ゆっくり食べてね?」
ポンポンと優しく背中を叩いて、私は女の子の側を離れた。その方が女の子が安心して食べられると思った。
だけど本当は私自身、これ以上堪えるのが限界だった。私は厨房に取って返した。そうして女の子から死角に入るとすぐに、私は袖で乱暴に目元を拭った。
チラリと覗き見れば、女の子はまた、貪るようにお団子を食べていた。