三途の川のお茶屋さん
第三章





季節の変わり目は、お客様が多くなる。


今日も、『ほほえみ茶屋』はご高齢のお客様で満席となっていた。

「おや、満席ですかの?」

暖簾を割り、老爺が店内を見渡した。

「すいません。空くのを待たれますか?」

忙しく配膳しながら、答えた。

「……いや」

老爺は首を横に振った。けれど老爺は店から出ようとはせず、私の手元をジッと見つめていた。

うん? 団子を見てる?

「あの、お団子はテイクアウトも出来ますよ。良かったらお包みしましょうか?」

老爺に水を向けてみた。

「おお! ぜひ頼む!」

老爺は満面の笑みで首を縦に振った。

どうやら老爺は、余程団子が好きらしい。





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