瑠璃色の涙
二人の名前を確認すると、止めていた手を動かし、紙に葎の文字を書いた。



--キーンコーンカーンコーン

「...と、今日はこれで終わり。帰りの用意しろー」

先生が教室を出るなり、秦が言った。

「みなさん、聞いて聞いてー」

パンパン、と心地良い音で手を鳴らす秦に、注目が集まる。

「結果発表ー。えー、カラオケに行く人が、合計で9人になります。俺、潤、海斗、実桜、由宇、葉那乃、進汰、遥、葎。これ以外で、行くんだけど名前呼ばれてねーってやついるー?」

シーン

「はい、いないようなので終わりまーす」

秦の話が終わると共に、カラオケに行かない人が教室から出て行った。

「じゃ、早速行きましょー」

言うと、残った皆も、それぞれに教室を出て行った。





「告白大会~。まず海斗から!」

カラオケ店に着くなり、そう言ったのは潤だった。葉坂潤は、秦に続くお調子者だ。潤の言っている、64%は冗談であり、36%は真実。ということがあってか、彼はクラスでは人気を占めているわけではない。もっとも、私と秦は、狼少年な潤にユニークさを感じているのだが。









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