瑠璃色の涙
そんな潤は、恋愛上級者で、『恋』のワードに敏感である。コイバナとかが好きなタイプだ。

「は?いやいや、歌いに来たんだろ」

潤の相棒のような立ち位置にいる、喜多野海斗は、しっかりと受け答えが出来ていた。

「いいじゃんいいじゃん!得点が低かったやつが、好きな人暴露とかしよーよー」

次に口を開いたのは、由宇だった。彼女は、小林財閥の一人娘。容姿端麗で、明るく好奇心旺盛な由宇は、ノリも良く、葉那乃の次に親しい友人だ。

「...わーったよ」

可愛らしい由宇の笑顔で、妥協の色を見せた、海斗。

「あははは。海斗も、ベタ惚__」

「その先は言うなよ、実桜?」

と、そこで、海斗の表情が一気に変わる。天然ふわふわ系女子、と言えば良いか、月山実桜も、海斗の睨みに、まずいと思ったらしい。

「はいはい、早速歌いましょー。みなさん」

切り替えるように、或いは、海斗をなだめるように言ったのは、和田君だ。和田君__和田進汰は、三ヶ月前に越してきた男の子。彼のフレンドリーさに秦が興味を持ち、仲良くなったのだという。
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