瑠璃色の涙
それでも

-遥side-

-カラカラ

「葎」

名前を呼べば、こちらを振り向く。

「遥!」

可愛らしい笑顔で、迎えてくれる。
そんな、可憐な少女は、難病だ。

近くの椅子に座り、彼女の綺麗な顔を見つめながら、言う。

「今日ね、マカロン買って来た」

「マカロン!?」

大きな瞳をさらに大きくし、リピートする。
葎は、マカロンが大好きだ。

「...あ、ごめん。もしかして、食事制限とか、あった?」

確認のつもりで聞くと、葎は首を振り、答える。

「いや、ないんだけど......その...この前、2㎏も増えちゃって...」

彼女が頬も染めずに言えるのは、俺を信頼してくれているのだからだろう。


「は?何言ってんの?葎の体重、45㎏だろ?これ以上痩せたらポキッといくよ」

そう言った時の葎の表情は、キュンとするくらいに可愛かった。

「な、な、なななな、何で知ってんの?!?」

え?そりゃあ...




「愛のチカラだよ」

満面の笑みで答えてみせた。

「はーくん、ストーカー?!」

...ピキッ。

「あ」

「.........うん。分かってる。ただ葎は、間違えただけだよな。分かってる。分かってるんだけど...」







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