瑠璃色の涙
「...え?」

「なんか、ね。俺、最近変なんだ。今朝も葎が言ってくれたのに.........葎が、いつか俺から離れてく気がする」

ドキドキと、不謹慎にも、心臓が跳ねている。けれどそれと同時に、背中に冷や汗をかいていた。

____ばれてない、よね。

そう思った直後、遥は言った。



「...............お願い...何があっても、俺から......離れないで......」



息が、一瞬、止まった。

それは、彼が可哀想だと思ったわけではなく、情けないと思ったわけでもなかった。

単純に、愛していた。

彼の声が、か細かった。

私は、彼に言う。

「...ずっと、一緒。大好きだよ、遥」

気が付けば、彼の手に、自らの手を添えていた。
そしてまた1つ、思った。

____ごめんね。

と。

_________________________________________

「...思ったんだけど」

帰り道。遥と並んで帰っていた。

「?」

「葎って、幸せだよね」

「え、いきなり過ぎて怖いんだけど...」

とは言いつつ、確かに幸せだった。
友達が居て、彼氏が居て。

「......俺みたいな、彼氏が居て」

そっちかよ。少し驚いて、立ち止まってしまった。
遥は、自意識過剰な一面がある。それはそれで謎に思うことはあるが、どんな遥でも、私は好きだ。







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