瑠璃色の涙
抱きしめる力は変わらないけれど。

「...」

遥は無言で、唇を合わせることはしなくても、私を力一杯抱きしめる。
これもこれで苦しいが、安心感には欠けないので、私も彼の背中に腕を回した。

「...私...世界一、幸せな女の子かも」

呟いたことに彼は気付いたのか、もっと抱きしめる力を強めた。

< 9 / 40 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop