私、花嫁にはなれませんっ!
「私の勘違い…だったのかな…?」
『そうじゃないかなぁ、だって直ぐ後ろの私が聞こえてなかったんだもん。そんなのありえないよ』
ひろみちゃんは、カチカチとシャー芯を鳴らしながら、自信あり気に答える。
その姿を見てると、さっきの言動は実は存在しなかったんじゃないかと思った。
そっ、そっか。そうだよね…普通、初対面でそんな事言わないよね…??
うんうん、と自分にも納得をさせる。
キーンコーンカーンコーン…。
その時、ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴った。逆に言うと、星座学園に入学して初めて迎える授業始まりの鐘の音でもある。
『おっ、じゃあまた後で。』
獅子島先生が教室を出ていく。
そして、入れ代わりに小柄なおじいちゃん先生が入ってきた。
『さて、皆さん。初めまして。早速ですが、数学を始めたいと思います!』
私達は、ツルツルする真新しい数学の教科書を机に並べ、そしてペンを持つ。
よーーし!心機一転して、頑張るぞ!!