私、花嫁にはなれませんっ!
審査!?
『え、美紅ちゃん凄いじゃん!もう審査を通ったって事でしょう…!?』
さっきまで空気になろうとしていた、ひろみちゃんも口を開いた。
喋ってくれてホッとしたけど、審査って、何!?
「なんで…だから、私の名前を知ってるんですか?」
『ま、そういう事でも良いけどね。』
「そういう事って…。その審査は何なんですか?」
なんで、私だけ?というか、なんで私?いつ審査されたの?審査の基準って何?
次々と疑問が浮かんでくる。
『とにかく、君は選ばれた。だから天文学部への入部を今、ここで、僕が許可する。そして、ひろみちゃん?だったかな。君は審査に通っていないから、今回はダメかな』
男性は少し申し訳なさそうにひろみちゃんを見た。
ひろみちゃんも、審査には疑問があるはず。
『美紅ちゃん!入るべきよ!』
「へ?」
『選ばれたんだから、こんなチャンスないよ!』
「で、、でも、1人じゃ…」
大好きな友達と、楽しい部活動を夢見てたんだもん!
『空が見たいんでしょう!!!!』
ひろみちゃんがビシッと言葉を投げてきた。
キャッチしたつもりだったけど、言葉の勢いに負けてしまって、こちら側が上擦ってしまう。
「あ、うん!?」
『じゃあ、諦めちゃダメ。掴め!ドリーー厶!』
男性が近寄ってきて私の腕を掴んだ。
『決まったみたいだね。』
「きゃっ…!」
ドキッ、と鼓動が高鳴る。
『行こう。』