私、花嫁にはなれませんっ！
「え…？」

あまりの衝撃発言に視界が揺らんだ。路頭に迷うって…？
聖さんは尚も続ける。

『過去、美紅の両親は、とある人の借金を肩代わりしててね、相当悩まされたらしい。でも借金の額は大きすぎて払いきれず、自殺も考えたみたいなんだ。そんな時、その膨大な借金の返済をチャラにすると、ある救済者が現れた。』

次に拓斗さんが口を開いた。

『それが僕らのおじいちゃんに当たるんだけどね、それには条件があったんだよ。美紅が18歳になったとき、この僕達の中の誰かとの結婚する事。』


『何も知らされてないんだから、当然びっくりしてると思うけど、これは事実なんだ』

優斗さんがふうっとため息をつく。

「じゃあ、もし私がこの中から選ばなかったら…」

『そう、君の家族は契約を破ったことになり、借金は帳消しにならない。』

残酷な言葉だった。

「…いくらなんですか…その借金は…」

声を振り絞る。

三人とも少し沈黙した後、ほぼ同時に答えた。

『100億。』

何も言えない。ただ気持ちが先に頬をつたって落ちていく。
溢れる涙が止まらない。


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