私、花嫁にはなれませんっ!
なんか確かに凄いかも…。
机をせっせっと直した私は、先生のキラキラオーラを出来るだけ浴びないよう目線を逸らしながらも前を向く。
『獅子島 レオだ。よろしく』
白いチョークでサラサラと名前を書いた後、獅子島先生は、指についた粉を払い、教室の端から端を見渡そうとして……、そして…私と目が合って、止まった…。
え?なんで私を見て…止まってるの…?
無意識に背筋がピンと伸びた。獅子島先生の瞳はよく見るとコバルトブルーの色をしていて、強い眼差しを向けられると、うっ…釘付けになる。
なんか、この瞳で見つめられたら逃げられない…!
私の頬がじんわり熱くなる。
早く目を逸らしてっ!
その時間、およそ5秒だろうか。初対面にしては結構長く視線を捕えられていた気がしたんだけど、獅子島先生は、私からパッと視線を外すと、目をハートにした女子生徒達に途端に優しく笑いかけ、口を開いた。
『俺に何か質問ある人いますか?』
すると、それまで張り詰めていた空気が一変して、黄色い女子生徒達の声で再び教室は賑やかになり始めた。