私、花嫁にはなれませんっ！

『せっ、先生は何歳ですか！！』

『先生は彼女がいますか！』

『先生はいつからこの学校にいるんですか！』

まるで、人気スターを取り囲む取材陣のように、女子生徒達は手を挙げ、矢継ぎ早に質問を投げかける。

獅子島先生は苦笑しながらも、先程の冷たい雰囲気はどこぞに捨ててきたのか、甘いスマイルをクラスメイトに向けて、こう答えた。

『24歳。新米2年目。彼女は居ない 他には？』


新米2年。まだ先生になったばっかりなんだ。そりゃそうだよね。凄く若そうだもん。お姉ちゃんと5つ離れてる計算になるのかな。えっーと…

上の空になりつつ、考えを巡らせていると、ひろみちゃんが後ろから

『あっ！』と声を上げた。


「ん？どうしたの…？？」と振り返ろうとして
私の机に大きな影が出来ているのに気がついた。


『君、名前は？』

「ま、真鍋…美紅…です…」

名前を聞かれて、どもりそうになりながらもやっとの思いで、答えた。

なんと私の机の前に、獅子島先生が立っていたのだ。