Love season
「あなたの事が好きなんだって気づけば、あいつの中で何かが変わるのかもしれない」
「変わる?」
でももし変わらなかったら?
私も、真先輩も悲しい思いをするだけかもしれない。
「あいつは人を好きになることから逃げている。失うことが怖いからだ」
そっか、だから告白されても断ってばっかりだったんだ。
しかも冷たく断っていたんじゃない。
悲しくて優しく返すことができなかったできなかっただけなんだ。
「私もあの人のことを助けたいです」
「え?」
「真先輩のこと」
「ほんと?」
「だって私、真先輩のこが好きだから」
そう私は口にしていた。
やばい、流れで言ってしまった。
恥ずかしくなり、うつむく。
「ありがと」
「え?」
顔を上げると2人が嬉しそうな顔をしていた。
「あいつはきっと彼女のお墓のところにいる。お墓はあの山の上の墓地にあるわ」
「わかりました。ありがとうございます」
私はそう言って教室へと戻った。
覚悟を決めよう。
好きな人を助けるために。
「あの子、彼女によく似てるね」
「ああ」
「特に好きな人のためならって必死になるところが」