Love season

想定外


今日は一学期最後の日。

そんな一日も終わり、私は一人で帰ろうとしていた。

春香は真先輩と一緒に帰るからと教室で真先輩のことを待っている。

「じゃあ、私帰るね」

と春香に言って教室を出ようとした時だった。
「なぁ、夏実一緒に帰らないか?」

と成海くんに声をかけられた。

「いいけど」

どうしたんだろう?

「本当か!帰る準備するからちょっと待っててくれ」

そう言うと成海くんは急いで帰る準備を始めた。

「ねぇ、夏実」

と春香が耳打ちをした。

「何?」

「よかったじゃん」

春香はなんだか嬉しそうに言った。

「何が?」

「わかってないの?やっぱり夏実は鈍い」

「鈍いって」

何のことだろうか。

よかったね、ってどう言うことなんだろう?

ただ一緒に帰ろうと言われただけなのに。

「夏実、行こうか」

準備を終えた成海くんが私のことを待っていた。

「う、うん」

私たちはオレンジ色の空の下、並んで歩いた。
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