Love season
いつからか、見て見ぬ振りをするようになった。
苦しんでいる桜に手を差し伸べることができなかった。
怖かったんだ。
自分もいじめられるんじゃないかって。
本当に最低な人間だと思った。
いじめが始まってから2ヶ月ほど経つと桜はもう学校に来ることはなくなった。
私たちは何度も桜に会いに行った。
けれど彼女の心の傷は大きすぎた。
いじめられることの苦しさ、そして仲間から裏切られることの辛さ。
もう遅かったのだ。
それから数ヶ月後の冬の日。
彼女は自ら首を吊った。
自殺。
私たちはそのことを聞いた時とても後悔した。
どうして見て見ぬ振りをしてしまったのだろうかって。
苦しかった。
それから真は私たちになぜ桜のことを見捨てたのかと尋ねられた。
その時、私は何も言えなかった。
怖かったから、自分が大切だったからなんて言えなかった。
真は私たちを避けるようになった。
それはそうだ。
仲間を裏切ったんだから。
そして2年生になっても私たちは今までの関係には戻れないでいた。