御曹司は恋の音色にとらわれる
紙に書かれていた待合場所『夜の猫』
までの道をマスターに聞き、店に向かう。

道に出されていたライトがつく看板に、
『夜の猫』と書かれているのを確認して、店に入る。

店は小さな一軒家で、築60年は経っているのでは
ないかと思われる、少し古びた佇まいで、
中央通りから外れた所にある所からして、
地元の人が多いと予想される。

少し重みのあるドアを開ける、

「いらっしゃい」

50歳ぐらいのおばちゃんが、声をかけてくれる、
店は彼女1人で切り盛りしているようだ。

店には机が5つ程、椅子ではなくソファが置かれており、
独特の雰囲気がある。

決して広い店とは言えないが、店のあちこちに小物が置かれ、
ステンドグラスのライトが天井からぶら下がり、
店主のこだわりを感じられる店だった。
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