御曹司は恋の音色にとらわれる
彼が、「あの、ありがとうございます」と言うと、

「はいよ!」と店主がおしぼりと水を持って来てくれて、

「オーダー、10時までだからね」

と少しぶっきらぼうに言って去ってしまった。

完全に出足を挫かれた男性に、微笑みつつ、

「先にオーダーしましょうか」

私が言うと、まだ少し放心した彼が、

「そうですね」とメニューを手を取った。

私はサンドイッチとコーヒー、彼はナポリタンスパゲティを
オーダーして、やっと落ち着いた雰囲気になった。
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