御曹司は恋の音色にとらわれる
「障害はなくなったら、正式に付き合えるよ」

2か月かかった障害が何か、気にならない訳ではないが、
もう問題ないなら、深く踏み込む必要もないし、
彼から話すようでもないので、あえて何も聞かないでおく。

「あの、気持ちは嬉しいのですが」

オムライスをスプーンにすくう彼の手が止まる。

「素敵な方だなと思います、多分惹かれている、
 でも、まだ好きかは分からないんです」

「十分ですよ」

スプーンを置いて、手をテーブルの上で組み、
私の目を見て話す。

「少しづつでいい、俺の事を知って、
 好きになってくれたら最高だな」

「あの、五十嵐さんは、私の事好きなのですか?」

「好きだよ」
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