御曹司は恋の音色にとらわれる
「えっとどこが・・・」

会って5か月とは言え、話しをしたのは、
ほんの数時間だけ。

「ずっと君の事を考えている、
 辛い事があっても、君のヴァイオリンを聞くと、
 なんだか溶けていくような感じがする、
 少しでも、君の傍にいたい、
 それに、他の男に取られたくない。
 これって好きって気持ちでいいと思うけど」

相変わらず、ストレートな表現に、
心に響いてくる物を感じる。

「君も、君のヴァイオリンも好きだ」

しばらくして、「はい」とだけ答える。

五十嵐さんはそれで満足したようで、またオムライスに手を付ける。
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