御曹司は恋の音色にとらわれる
相変わらず、微妙にかみ合わない会話をしながら、
次のスケジュールを確認する。

今、インテリアコーディネーターが打ち合わせしている
方が帰られたら、今日の業務は終わりそうね。

仕事を片づける段取りをしながら、
水野さんに指示を出していく。

「高橋さん、彼氏欲しくないんですか？」

「うーん、多分２・３年したら、両親がお見合い話
　持ってくると思うから、それから考えてもいいかなって」

「もしかして、お嬢？」

「両親共、普通の公務員よ」

ふーんと納得したのか「安定か」
と呟きんがら、水野さんも片付けていく。

「美華って派手な名前なのに、地味ですよね」

遠慮のない言葉に苦笑しながらも、手を動かしたのだった。
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