御曹司は恋の音色にとらわれる
「相変わらず綺麗だよ、アップにした髪もいいね」

「褒めないと、いられない病?」

「そう、君を前にすると、かかる病気」

あっさり返されて、顔が少し赤くなる。

そうゆう彼もかっこいい。
今まで夜ばかり会っていたが、こうして見ると、
日の光が彼にとても似合っている。

まっすぐ、私をぽかぽかと包み込んでくれるよう。

こんな素敵な人が・・・私にはもったいないぐらい。

「何考えているの?」

「今日のヴァイオリン協奏曲の演奏者、
 世界的なコンクールで賞を取った人ね」

本心は打ち明けれず、これからのコンサートの話をして、
はぐらかす。
< 33 / 102 >

この作品をシェア

pagetop