御曹司は恋の音色にとらわれる
「えっと・・・そうだね」

あまり乗り気でな返答を聞いて、少し違和感を覚える。

それも、すぐ気にしない事にして、話しを続ける。

「席、C9-18なのね」

1階の中央、最高の場所。

「君が喜んでくれるなら、何でもないよ」

「ありがとう」

「行こうか」

喫茶店を出て、さりげなく腕を組むよう促す彼に。
素直に従い、腕を絡ませる。

そして、最高の場所で、最高の演奏を楽しんだ。
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