御曹司は恋の音色にとらわれる
その後、ホテルのカフェへ。

店内にはクラシックがかかり、インテリアも重厚感がある。

このホテルで使われているの、
Poltrona Frau(ポルトローナ・フラウ)だわと、
ついつい分析してしまう。

カタログでしか見た事のない家具に、
実際に座っているとあって、感動してしまった。

シャンデリアも豪華で、非日常な空間が広がっていた。

そんな空間にも、何の違和感もなくなじんでしまう拓を見る、
それに、何か慣れている感じもするし。

「拓、何度か来た事あるの?」

「母がここの紅茶が好きでね、
 母のお墨付きだから、いいはずだよ」

「それはありがとうございます」

ポットと、ティーカップを乗せたワゴンを押したスタッフが、
素敵な笑顔で席までやって来た。

「ダージリンをお持ちしました」

拓が頷くとサーブしてくれる。

「お代わりは何度でもできますので、いつでもお呼び下さい」

お代わりも自由で、そのたびにサーブしてくれる、
流石サービスも一流、感動しきりである。
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